柿が柔らかい状態になったら食べられるのか？

柿の甘さが一番出てくるのは、腐る直前だと言われています。しかしそれは随分とブニョブニョな状態。

食べるのに躊躇するほど、柔らかくなってしまった柿と遭遇したことはありませんか？美味しさの詰まった柔らかい柿、心配なのは「腐っていないの？」ということ。柔らかい柿は食べたいけれど、腐っている柿は食べたくないですよね。

今回は“こんな状態になったら食べないで”という目安を紹介します。

柔らかい柿はちょっと苦手…という方や、沢山いただいた柿が見事に全部柔らかくなっていて困っているという方は、おいしくいただくデザートレシピをぜひご覧ください。

柔らかい柿は食べられるの？

柿を収穫してからの状態は次のようになります。

柔らかくなった柿は“過熟”と“腐る”の部分に当てはまります。

過熟の状態は、食べられます。
腐った状態は、食べられません。

詳しく見ていきましょう。

柿の過熟と腐敗

収穫した果物が熟れていくことを、追熟と言います。この追熟が進むと、過熟という状態になります。字のごとく、熟れすぎた状態…柔らかい柿になってきます。

過熟辺りから、ブニョブニョしたりトロトロで皮がむきにくくなってきますが、まだまだ美味しくいただけます。甘さが一番出てきて、柔らかい食感が好きな方にとっては最高の食べごろです。

しかし、このあとに待っているのは腐敗。昨日まで食べごろだった過熟した柿が、今日は腐ってしまったということもあります。過熟と腐敗は紙一重なのです。

では、柿が腐ってしまったかどうか、どう見分けたらよいのでしょうか？

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柿が腐ったかどうかの見分け方

まずは臭いで判断しましょう。柿が腐ると、とてもクサイ臭いがします。酵母の働きで酸味が出て、酸っぱい臭いがすることが多いでしょう。

見た目が過熟柿に見えても、臭いを嗅いで「あれ？」と変化を感じたら腐ってきたと判断しましょう。他にも、

そんな状態の柿も、残念ながら食べられません。新聞紙で包んだものを袋に入れてから、ゴミ箱へ。

柿を腐らせないためのポイントは？

収穫した柿は、未熟の状態ならば冷暗所で保管します。できれば、乾燥防止のために新聞紙で包むとよいでしょう。

熟れた柿は、追熟しすぎないよう冷蔵庫保管がおすすめです。常温保管よりも追熟が遅れます。

柿が出すエチレンガスに注意

ここで注意点！

柿はエチレンガスというものを発生させます。果実の老化や成熟に作用する植物ホルモンが含まれているものです。

このエチレンガスは、柿そのものだけでなく、他の食材を一緒に冷蔵庫に入れておくと傷みやすくなります。冷蔵庫で保管する場合は、柿をビニール袋に入れて密封すると良いでしょう。

シャキシャキ柿を長持ちさせるには？

腐ってなければ、柔らかくなった柿もまだ食べられます。でも、柔らかくなる前の柿が好きという方もいらっしゃいますよね。そんな方のために、シャキシャキ柿を長持ちさせる保存法を紹介します。

ポイントは柿のヘタです。柿はヘタの部分で呼吸をしたり水分の調節をします。

保存する時は、ヘタの部分に濡らしたキッチンペーパーなどをあててあげます。ヘタの大きさに合わせて折りたたんだものを使いましょう。

そして、ヘタの部分を下にした状態で冷蔵保存します。湿ったキッチンペーパーがヘタによくあたるように置いてください。

キッチンペーパーが乾いてしまっては意味がないので、数日たったら様子を確認しましょうね。

熟した柿は2～3日の間に追熟が進み、シャキシャキの食感が無くなっていきますが、このひと手間をかけることによってシャキシャキ期間が10～14日程度期待できます。

さらに袋に入れて保管すれば、先ほど出てきたエチレンガス問題も解決しますよ。

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柔らかい柿のおいしいレシピ

皮をむくとトロトロと原型をとどめなくなってきた柿は、ヘタとその周辺の上部をスライドカットしてフタのように穴を開けます。そこからスプーンを使って果実を取り出します。

そのままいただいてもOKですが、食感が苦手な方や大量のトロトロ柿を抱えている方はアレンジしてみましょう。柿ゼリーと柿シャーベットがおすすめです。

柿ゼリー

過熟した柿は甘さが十分なので、ゼラチンを加えるだけで素材の味が楽しめるゼリーに変身。食感を良くするために裏ごしした柿ペーストを使うとより美味しくいただけます。

柿シャーベット

シャーベットも簡単♪取り出した柿の果実を、製氷容器に入れて冷凍します。食べる時は、少しの間常温においてからスプーンなどで荒く潰せばあっという間に柿シャーベット。

「面倒だ～！」という方は過熟柿をラップに包んで冷凍庫に入れるだけでもOK！食べる時には、先ほどのように上部をスライドカットしてヘタ付の蓋をパカッと開けていただきます。

過熟した柿もゼリーに加工すると、多少日持ちします。シャーベットは更に保存期間が延びますので、ぜひ活用してみてください。

まとめ

過熟柿と腐った柿はどちらも柔らかく、腐り始めを見分けるのは難しいかもしれません。そんな時は臭いを嗅いで確認しましょう。

トロトロになった柿は、レシピでアレンジして堪能するのもおすすめです。シャキシャキ柿が好みの方は、次回から保存にひと手間かけて、シャキシャキ柿の保存期間を延ばすことに挑戦してみましょう。

私はシャキシャキ柿派だったのですが、柿の甘さが一番出てくるのは腐る直前の柿だということが分かったので、今度は紙一重の過熟柿をいただいてみたいと思います。