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私の生活の中で、最も身近に紅葉を楽しめるのがイチョウの木。あの黄金色の葉がいっぱいに広がると、存在感を増してそれは見事なものです。
ところで「イチョウ」は漢字で表記すると「銀杏」だということをご存知ですか?
私が、初めてこのことを知ったのは確か高校生の頃…。「銀杏」と書いて「イチョウ」と読む。あの時は「えー!無理やり!」と思ったのですが、
と頭の中で結びついた瞬間でもありました。
それまで、イチョウの木からギンナンがとれることを知らなかったなんて、今となっては恥ずかしい過去なのですが、近所の街路樹として並んでいたイチョウの木からギンナンを見つけたことはなく、この二つが結びつくことがありませんでした。
ところが、通学していた高校に並ぶイチョウの木はギンナンがどっさり落ちてくる木で、ビックリ。
- ギンナンがなる木とならない木があるけど?
- 銀杏でイチョウと読むの?
身近な木でありながら、不思議なことばかり。今年は家族に銀杏雑学を披露すべく、この不思議を紐解いていきたいと思います。
- ギンナンがなる木とならない木があるのはなぜ?
- ギンナンがなる時期はいつ?
- 銀杏と書いて、ギンナン・イチョウ共に読めるのはなぜ?
ギンナンがなる木とならない木
イチョウの木には「雌雄」があります。ギンナンがなるのが雌の木で、ギンナンがならないのが雄の木です。
イチョウは「雌雄異株」といって、雌雄が株ごとに完全に分かれていて、雌花をつける株と雄花をつける株があります。
「雌雄異株」というと見分けがつけやすそうに聞こえますが、実はイチョウの雌雄を見分けるのは難しく、例えば強烈なニオイを放つ雌の木でなく、実をつけない雄の木を街路樹にしたいと思っても簡単にはいきません。
実がつくかどうかを待たないと、確実に雌雄を見分けられないのです。他にも枝の伸び方や葉の形で見分けることはできますが、こちらの方法は不確かなものです。
そんなわけで、街路樹に雄の木を植えたい場合は、雄の木に接ぎ木や挿し木をしてそれを元に増やしていく方法をとっています。
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ギンナンがなる時期は?
豊富な栄養と、くせになる風味が魅力のギンナンは、強烈なニオイにも関わらず秋になるとイチョウの木から実を落とし、人々を喜ばせます。
ギンナン拾いは9月頃から始まり、11月中旬にピークを迎えます。地域にもよりますが、イチョウの紅葉が始まる11月下旬にはもう実がないことがほとんどです。
この時期以外にもスーパーでギンナンを見かけることがあるのは、栽培による出荷があるからです。園地栽培で育ったギンナンは、新物が7月から出回り。晩秋が旬となります。
イチョウの木が自然の中で育ち、実をつけるまでには25年程の長い月日がかかりますが、栽培技術を使えば7~8年で実をつけさせることができます。
ちなみに、出荷量第1位は愛知県で全国の3割を占めています。
- 愛知県
- 大分県
- 福岡県
イチョウはなぜ銀杏と書くの?
イチョウは「銀杏」の他にも「鴨脚樹」や「公孫樹」という漢字で表されます。実は銀杏をイチョウと読ませるルーツは「鴨脚樹」にあったのです。
鴨脚樹の由来
「鴨脚樹」は、イチョウの葉が、鴨が足を開いた形に似ているからという由来があります。
こんなイチョウらしい由来があるのですから、「銀杏」の漢字表記は無用な気がしませんか?
でも実は、イチョウが銀杏と表記されるようになったというよりは、銀杏にイチョウという読み方が後付けされたという方が正しいのです。
銀杏でイチョウと読むことになった由来
昔、中国から渡ってきた「鴨脚」という言葉は、「ヤーチャオ」の発音で日本人に伝わりました。これが、日本特有の発音に変化して「イチョウ」になったのですが、この時すでにイチョウの木には「銀杏」という名前がついていました。
そこで、「銀杏」を「イチョウ」と読むようになりました。(※諸説あり)
公孫樹の由来
「公孫樹」は、公という字が祖父を表し、祖父が蒔いた種が孫の代で実るからという由来があります。(※諸説あり)
現代では、イチョウは木や葉のことを指し、ギンナンは実のことを指すので、会話の中では区別がつきやすいですよね。問題は文字で表記する時です!
- どうして、従来の銀杏(ギンナン)で押し通さなかったのか?
- ギンナンの木・ギンナンの実で十分意味が通じるのに。
- 逆に、鴨脚=イチョウを採用するなら、銀杏は廃止すればよかったのに。
- もしくは、木は鴨脚(イチョウ)で実は銀杏(ギンナン)とはっきり使い分ければ分かりやすいのに。
みなさんは、どう思いますか?ぜひコメントで議論しましょう(笑)
銀杏の読みを間違えると?
昔、与謝野晶子が詠んだ詩にこのような作品があります。
それから、大相撲の幕内力士が結うマゲ「大銀杏」(オオイチョウ)はイチョウの葉の形が由来です。
さて、何が言いたいのかというと、この二つの「銀杏」を「イチョウ」と読めず「ギンナン」と読んだとします。
与謝野晶子の風情溢れる詩は、イチョウの葉が美しく舞う光景が目に浮かぶのですが、「銀杏」がイチョウでなくギンナンだったら、夕日に照らされた丘は「とにかく、臭い!」
力士の頭のマゲが、「オオイチョウ」の形なら立派な見栄えですが「大ギンナン」の形だったらラグビーボール形のマゲになるでしょう…?
「銀杏」を「イチョウ」と読むか「ギンナン」と読むか、これってすごく重要なことだったのですね。
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ギンナンにも品種があった
- イチョウには3つもの漢字がある
- 木には雌雄がある
- ギンナンには自然になる実と栽培された実がある
これだけでも、ちょっと雑学知っている気分になるのですが、もう一歩踏み込んだらビックリ!なんと、ギンナンにはいくつもの品種があったのです。代表的な4つを紹介しますね。
- 金兵衛(きんべえ)
- 長円形の中粒のギンナンで、苦みが少なく良質。
- 久寿(きゅうじゅ)
- 金兵衛よりも大きめの丸形で、粒ぞろいは良いが貯蔵性がないのが欠点。
- 藤九郎(とうくろう)
- この中で、一番大きく豊円形をしている。殻は薄く光沢があり、味も良いが収量が少ない。
- 栄神(えいしん)
- 金兵衛と藤九郎の間の形をしている。殻が薄く割りやすくて良質。
私は藤九郎が食べてみたいです♪大きくて豊円形、殻が割りやすくて美味しい!更には、収量がすくないというレア感に惹かれました!
藤九郎は岐阜県の地域ブランドで、【井上 藤九郎】宅にあった樹齢300年の原木から接ぎ木されてきました。気安く「藤九郎」なんて呼んじゃいましたが、井上さん宅の藤九郎さんからいただいた品種名だったのですね。
まとめ
- 雌の木はギンナンがなり、雄の木はならない
- ギンナンがなる時期は9月頃~11月中旬
- 銀杏でイチョウと読める由来は中国語の発音にあった
- 藤九郎が美味しそう
イチョウの雌雄の違い、銀杏の読み方の違い、調べてみると感心させられることばかりでしたね。
と我が子に教えていこうと思います!