家族で回転寿司に行くと、私が必ず注文するのがあん肝。
あの滑らかな食感と濃厚さは、他の寿司ネタには無い味!すっかり虜です。
アンキモは漢字で書くと鮟肝。鮟鱇(アンコウ)という魚の肝(キモ)ということですね。
できれば何皿でも食べたいのですが、あん肝はとても高カロリーです。やはり食べ過ぎはよくないのでしょうか?
だったら嬉しいのですが…。
それから、あん肝の保存方法も気になるところです。
昔、茨城県の漁港のお店で、新鮮なあん肝をゲットしたことがあります。それも大量に!
思う存分堪能しても余ったので冷凍したのですが、長期間冷凍保存してしまったせいか、とても生臭くなってしまいました。
あん肝に適した保存方法は何でしょうか?
というわけで今回は、あん肝について特集していきます!
- あん肝とは何なのか?
- あん肝に含まれる栄養価
- あん肝の旬はいつ?
- あん肝を食べ過ぎるとどうなるのか?
- あん肝に適した保存方法
あん肝とは?
あん肝とは、アンコウの肝臓のことです。
実際に食卓に並ぶあん肝は、アンコウの肝臓を成型して蒸した状態ですね。アンコウの肝臓というより、この蒸した状態をあん肝と認知している人が多いでしょう。
あん肝の産地と2種類のアンコウ
産地は茨城県と山口県(下関市)が有名です。アンコウの種類の中でも、主に
- キアンコウ(ホンアンコウ)
- アンコウ(クツアンコウ)
の2種類が食用にされています。キアンコウの方が、味が良く値段も高くなります。
アンコウにそれほど高級なイメージがない私は、きっと今までクツアンコウとしか出会ってこなかったのでしょう…。
海のフォアグラはあん肝だけじゃない!
日本では、アンコウの他にも
- カワハギ
- ウマヅラハギ
- トラフグ
などの肝を食用にすることがあり、これらをまとめて【海のフォアグラ】と呼びます。
本家のフォアグラは珍味として珍重され、なかなか口にすることはないですね。それに比べ海のフォアグラ代表のあん肝は、もっと身近で親しみがあります。
身近で親しみがあり、それでいて贅沢感が味わえる海のフォアグラは、庶民の味方で最高ですね!
スポンサーリンク
あん肝の豊富な栄養価
アンコウは白身魚。栄養が豊富というよりは、ヘルシーな食材なんです。
しかしその分?あん肝には栄養がギュッと詰まっています。
特にビタミン類が豊富なんです。
- ビタミンA(レチノール)
- ビタミンB12
- ビタミンD
- ビタミンE(トコフェロールα)
これだけ揃っていると体に良いことばかり!
ビタミンA
目の健康を支えたり、免疫力を上げて感染症を予防する効果があります。
ビタミンB12
赤血球を作るのに不可欠な栄養素。あん肝を食べることで悪性貧血の予防に期待できます。
ビタミンE
強い抗酸化作用を持っており、体内の細胞の老化を防止してくれます。
こんなに美味しくて、尚且つ栄養が豊富。アンチエイジングにも期待できるなんて、益々あん肝のファンになりました!
あん肝の旬はいつ?
アンコウは、水温が低くなると身が引き締まり旬を迎えます。季節で言うと12月~2月頃の冬に多く出回ります。
アンコウ鍋がテレビで特集されるのも、ほとんど寒い季節ですね。アンコウは冬の御馳走!
しかし、あん肝の旬は少し時期がズレています。
アンコウは、産卵の時期が初春~初夏の頃です。この産卵前のアンコウは肝がよく肥えていて、絶品。
秋の終わりから冬の始めの頃のあん肝より、冬の終わり頃のあん肝が食べごろと言えます。
スポンサーリンク
あん肝は食べ過ぎ禁物!
あん肝はクリーミーで濃厚な分、肝の脂肪分がとても多く、食べ過ぎは禁物です。
どれくらい脂肪分が多いか、他の魚と比べてみましょう。
- タイの肝…脂肪分2%
- マグロの肝…脂肪分3%
- アンコウの肝…脂肪分40%!
なんと、あん肝は4割が脂肪分という衝撃。
気になるカロリーは、アンコウの身が100g当たり58kcalなのに対し、あん肝は100g当たり445kcal!
これでは、いくら栄養豊富で美味しくても、食べ過ぎたら体によくないですね。
特に妊婦さんは食べ過ぎ注意!
あん肝の食べ過ぎに特に注意しなくてはならない人がいます。
それは妊婦さん。
ビタミンAには、あん肝などに含まれているレチノールと、緑黄色野菜に含まれているβカロテンがあります。
βカロテンは摂り過ぎても心配しなくてよい成分なのですが、あん肝に含まれているレチノールの方は注意が必要です。
レチノールは体外に排出されにくいため、過剰摂取を引き起こし、生まれる赤ちゃんが奇形になってしまう可能性が高まります。
ビタミンだからといって、摂りすぎは良くないのですね。
あん肝には、ビタミンAのレチノール以外にも、気にしておきたい成分が含まれています。
それはプリン体。
あん肝はプリン体が大量に含まれている!
あん肝のプリン体は、一食分60g当たり240mg含まれています。
一日のプリン体摂取量の基準が400mgなので、一食で半分以上摂取したことになります。
おかわりをした場合は、そこで既に一日のプリン体摂取量の基準を超えてしまいます!
プリン体を過剰に摂取すると、痛風や尿路結石になるリスクが高まります。注意しましょう!
あん肝は、なぜ他の魚に比べて脂肪分が多いのでしょうか?それは、アンコウの棲み処に関係していました。
あん肝の脂肪分が高いわけ
アンコウはエサが少ない深海に棲んでいるため、栄養をため込む性質があります。それが肝臓に脂肪として蓄積され、エネルギーとして少しずつ使われているのです。
たしかに…アンコウさんは見た目がグロテスクで、深海の雰囲気を漂わせている気がします。
あん肝の調理法
あん肝を使ったおすすめ料理は、ずばりアンコウ鍋です。
味噌と一緒にあん肝も溶かすと、コクが出て深みのあるお鍋になります。
アンコウの身や皮も一緒にいただくことで、コラーゲンも摂取できてツヤツヤお肌に期待できます。
ポイントは、お野菜をたくさん入れてよく煮込むこと。バランスよく、消化のよいアンコウ鍋にしましょう。
栄養豊富なあん肝ですから、風邪の流行時期にはピッタリですね!
ただし、シメの雑炊やうどんは控えめに。脂肪分+炭水化物でかなりの高カロリーになります。
スポンサーリンク
あん肝の保存方法
あん肝は内臓なので、蒸してあっても3日目には生臭くなってきます。
食べ切れなかった加熱後のあん肝は、冷凍保存しましょう。
- ラップで包む
- アルミホイルで包む
- 急速冷凍
この3ステップでOKです。
生のあん肝は、蒸すなどの加熱をしてから冷凍しましょう。
ただし冷凍保存とは言え、味が落ちることは覚悟してください。
保存は長くて一ヶ月程度ですが、冷凍するまでの鮮度も重要になってきます。使い切るのは早ければ早い程よいでしょう。
解凍する時は冷凍庫で自然解凍。その後は鍋などの汁物に使いましょう。すると生臭さもやわらぎますよ。
まとめ
- あん肝はアンコウの肝臓のこと
- あん肝は冬の終わりごろ
- あん肝はビタミン豊富
- しかし食べ過ぎると体に悪い
- 残ったあん肝は冷凍保存
あん肝は、食の都フランスでも食されています。瓶詰めも生産されているほどです。これはもう、珍味に認定ですよね!?
しかし、食べ過ぎには注意が必要だということがわかりました。回転寿司で気軽に食べられるからといって、欲張ってはいけないんですね。
それにしても、庶民派回転寿司は年間を通してあん肝がメニューに並んでいますが、生臭さがほとんどない!
さすが、プロが冷凍&解凍すると違いますね。
あん肝がネタになるまで、どんなふうに加工され保存されているのか是非見てみたいものです。